ホンモノの「油」~調味料へのこだわり~
何に対しても「拘りは持たない」
これをモットーとする私たちが
唯一とっていっていい程
大切にしている拘りが「調味料」
日々頂くお米やお野菜に
できるだけ負担をかけることなく
食卓へ上らせてあげたい
育ってきた環境に近い 自然界にあるものを使い 自然に囲まれた環境で
調理してあげれば
やっぱり食物も人も同じで ストレスがかからずに
素材がキラキラと輝き
素材そのもの旨みがでて
手を殆ど加えなくたって 本当にとっても美味しくなる
どんな食材でもあっても
こうして縁あって出逢った
日々手にする食材たちが 食卓に上る最後の最後まで 心地よく過ごしてもらえるよう
その環境を整えるお手伝いをすること
これが私にとっての「料理」 その「料理」の出来具合は 「腕」ではなく「手助けの程度」や
作り手がその時に心に抱く「想い」の
そのバランスに一番左右される
というのが私の勝手な持論
いつも穏やかな心で 素材たちと向き合い丁寧に扱いながら
「調味料」でその環境を整えるという
こうした手助けを素材たちが
どう受け止めどう感じてくれるのか
こちらの想いだけを
一方的に伝えるだけではなく お互いの想いが通じ合じあって
はじめて「食」に「生命」がみなぎり お腹を超えたもっと深い部分を満たしてくれる
そんな料理が完成するように感じる わが家の調味料たちは
今のところお味噌は自家製 お醤油は只今自家製作成中で
来年3月に完成予定
それまではお醤油・塩・酢・味醂は
お気に入りのものたちを そして、残すは「油」
これまで沢山の油との出逢い
いくつも試しながらも 良いと感じることはあっても これだ!と何かピンと感じる
そんな油との縁は未だなく 色々と悩んでいた時に わが家の畑で自家採種した 沢山の水かけ菜の種たちが
倉庫で沢山眠っていることを知る
そして本当に運がいいことに
御殿場で採れる椿の実を使い
手搾りによって椿油を搾っている 滝さんの存在を知り
滝さんにお願い相談しながら
昨日ようやくその念願が叶い わが家の菜種たちで滝さんと一緒に
手搾りによる菜種油搾りに挑戦
何年もの試行錯誤の上に 自家製の油搾り機まで作り出してしまう滝さん
自らの足で御殿場の椿を拾い集め
自らの手を使い臼で椿の実を潰し 自家製の専用蒸し器で
薪を使って実を蒸して
その機械をつかって
ゆっくり丁寧に搾られるの滝さんの油を はじめて口にしたあの時 そのあまりに美しさと美味しさに
これまでの「油」に対する固定観念が
見事に一気に崩されるほどの衝撃を受ける ただ味わっている時には感じなかったけど
実際に搾るという工程を経験してみると
「油」を搾るということは
想像していたより遥かに大変で
何年と椿油を搾っている滝さんでも
椿と菜種の性質が想像以上に違っていて
何時間かけて何回搾ってもうまくいかず 5キロもの種から搾れたその量は
ほんのわずか数滴
手で必死にかき集めたって
炒め物一回分にもならない程で さすがの滝さんも搾れたその量の あまりの少なさに言葉を失う
朝からひたすら作業すること5時間 ただひたすら手作業での油搾りに さすがに体力の消耗も感じながら それでも失敗を繰り返しながら試すこと3回
違う方法を様々試しながらも3回目にして
これまではわずか数滴でも絞れていた油が 全く搾れないという現実を目の前に 私とまるちゃんの心は もうこのとき既に折れかかっていた
顔にも態度にも全く出さないけど いくら慣れているとはいえ 80歳になる滝さんも もうさすがに疲れているに違いない
「もういいです、もうやめます」と
そう言いかけそうになった時 滝さんが私たちに笑顔で問いかけてくる 「もう一回やってみるかい?」
おもわず、まるちゃんと目を合わせ黙り込む
完全に諦めモードに突入していた 私たちにはしばらく返す言葉がでてこない
滝さんらしい優しい口調でも その言葉に込められた 滝さんのあまりに熱い想い 「もう諦めていいのか」 「その程度の想いなのか」って
そして何より
私たちの夢を叶えてあげたいという 滝さんのあまりに温かい想い こんな状況の中
倉庫の奥に大切に保管されている
椿の実と臼を持ってきて
その実を臼で一つ一つ丁寧に潰し始め いつもの椿油を搾ってみせてくれる滝さん
少しずつぽたぽたと滴り落ちる
信じられない程綺麗な黄金色した椿油 その一滴一滴と滝さんの必死で搾るその姿が
「大丈夫、絶対できる」と語りかけてくるように
私たちの心の中の絶望感を希望に変えてくれた
今はいとも簡単に油を搾る滝さんも
こうして搾れるようになるまでには 沢山の失敗や試行錯誤を幾度となく繰り返しながら
ようやく「今」にたどり着いたに違いない
滝さんと共に過ごす時間の中で
滝さんから語られる その言葉のひとつひとつには あまりの重みがあって
あまりに響いてきた
こういう人が側にいてくれること
困ったらいつでも惜しげもなく
その力と智慧を貸してくれること
そして何よりこうして同じ時を 共にできることが本当に嬉しく
感謝の気持ちでいっぱいになった 滝さんの姿と言葉に力を頂き もう一度、力を合わせ3人で
実の潰し方や蒸し時間など
議論しながら再度搾りはじめる
種ひとつひとつに耳を傾けながら そして語りかけるように
挑戦してから7時間。搾ること6回。 見事に綺麗な色をした
菜種油が機械から流れ始める 搾りたてのその菜種油は
味も香りも今まで経験したことのない程 あまりに美しくあまりに美味しかった
そして心が温かくなった
3人で見つめ合い やっとホッとした笑顔が
その場に溢れる 滝さんが教えてくれた 今まで知らなかった「ホンモノの油」 今の時代こんな油が味わえることは 「キセキ」でしかないような気がする だからもっと多くの人たちと一緒に この油を感じ味わいたいという私たちの想いを
また快く滝さんが受け止めてくれ
協力して下さることになりました 毎月一回を予定していた
心に響く手仕事バザールですが
9月は「心に響く手仕事ワークショップ」として 9月20日(日)10:00~15:00で 「ホンモノの油とキセキの天丼」を開催します 滝さんと一緒に1から手作業で油絞りをし
その搾りたての油を使って
採れたてのわが家のお野菜で天ぷらをつくり 炊きたてのごはんの上にのせ
そんな「キセキ」のような天丼を
みんなで食したいとおもいます
どんな美味しい天ぷら屋さんだって
どんなに良いとされる油を使うことはできても
搾りたての油なんて使えないでしょ、きっと。
きっとこんな油で作る天ぷらは 技術を超え身体と心に響く 「キセキの天丼」だとおもうのです 椿も菜種もたくさんのその実から 搾れるその量は驚くほどあまりにも少量
菜種に至っては同じ5キロという量でも
搾れる量は椿の半分以下
たった1回でも天ぷらをするには
今ある滝さんの椿とわが家の菜種の
その2つの力を合わせないとできません みんなの力を合わせて頑張って 沢山搾れたとしてもその量はきっと
天ぷら一回分がやっとギリギリ 正直いうと、天ぷらなんて贅沢すぎる
ちょっと勿体ないような気もしてしまう
でもこうして「ホンモノの油」を
贅沢にも身体全体で沢山感じ味わいながら 生命がみなぎる「食」を頂くことで
きっと何か大切なことを深く深く
感じ学ばせてくれるのだと思っています
果たしてどの位油が搾れるのかは
当日にならないと分からないけど みんなで搾った油がある限り
めいいっぱいの天ぷらを作りたい 今、滝さんの自宅にある椿と わが家にある菜種を全て使って
今回たった1回だけの「ホンモノの油」を
一緒に感じて味わってもらえたら嬉しいです どうぞよろしくお願いします☆ *****************************************************************
心に響く手仕事ワークショップ【ホンモノの油・キセキの天丼】
日時:9月20日(日) 10:00~15:00頃 内容:10:00~ 滝さんと「ホンモノの油」づくり 椿&菜種油手搾り体験
13:00~ 「キセキの天丼」作り&ごはんの時間
14:00~ 「油と調味料のお話~上手な付き合い方~」by 自豊暮 「ホンモノの油」でつくるお茶菓子雑談タイム ※「米ぬかで作る!干し柿と無花果のアーモンドチョコレートブラウニー」予定
15:00頃 解散
料金:4、000えん(体験・お昼ごはん・お茶菓子代込+お土産付き)
ご夫婦・ご家族でご参加される場合 お2人で7、500えん お子様はお食事を必要とされる場合 1、000えん ※ 自豊暮で使っている自家製自慢の「お味噌」と愛用の「塩」
&滝さんの椿油のお土産つき!
場所:自豊暮(しふく)
御殿場市柴怒田401-1(ナビ専用:柴怒田398) 持ち物:マイカップ&マイ箸、お味噌汁をいれるお椀 申込み&問合せ:0550-89-0429 / shifuku915@gmail.com(自豊暮まで)
※メールの対応は遅くなる場合がありますのでご了承くださいませ。
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